■所有権確認訴訟
公法上の境界(筆界)と所有権の及ぶ範囲とが一致しない場合、その所有権の範囲の確認を求める訴訟。
一般には、所有権の範囲が境界(筆界)であると誤解されている。
確かに、土地は、一筆ごとに境界で区画され、地番を付して所有権の対象とされているため、境界は所有権の範囲と一致していなければならない。
しかし、一筆の土地の一部の売買が可能であるように、境界は、常に所有権の範囲と一致しているとは限らない。
境界の異動としては、分筆登記又は合筆登記が考えられるが、公法上の境界(筆界)そのものを移動することは出来ない。
したがって、裁判上の和解や時効取得又は相手方の請求を認めての認諾によっても境界(筆界)そのものが移動することはなく、分筆登記と所有権移転登記が必要となる。
所有権確認訴訟では、裁判所は、当事者の申し立てに拘束されるため、原告が所有権の範囲を証明できなければ、その請求は棄却されるため、紛争が解決されないまま終わってしまう事がある。